複合加工機, 切削油, 油剤選定, ターニングセンタ, 旋削加工, ミーリング加工, 汎用性, 切削油管理 【切削油選定】複合加工機の性能UP!多様な加工条件に対応するための最適な使用方法

【切削油選定】複合加工機の性能UP!多様な加工条件に対応するための最適な使用方法

【切削油選定】複合加工機の性能UP!多様な加工条件に対応するための最適な使用方法【切削油選定】複合加工機の性能UP!多様な加工条件に対応するための最適な使用方法
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複合加工機における切削油選定|多様な加工条件に対応するための最適な使用方法

旋削加工、フライス加工、穴あけ、ねじ切り…。これまで複数の工作機械で行っていた加工工程を、一台に集約することで、段取り時間の短縮、工場スペースの有効活用、そして圧倒的な高生産性を実現する「複合加工機(ターニングセンタ、複合旋盤など)」。その導入は、現代の金属加工現場における競争力向上の鍵となっています。しかし、その高い利便性と多機能性の裏側で、多くの現場担当者が新たな課題に直面しています。それが「切削油の選定と管理」の複雑化です。

「旋削には良いけど、ミーリングだとどうも調子が悪い」「鉄とステンレスを同じ機械で加工するんだけど、どの油剤を選べばいい?」「加工条件を変えたら、急にトラブルが増えた」…これらは、複合加工機を運用する現場で頻繁に聞かれる悩みです。

この記事では、複合加工機の持つポテンシャルを100%引き出し、その性能を飛躍的に向上させるための「切削油選定の秘訣」に徹底的に焦点を当てます。複合加工機特有の要求性能から、主要な加工別の要件、異材質加工への対応、そして日常の管理ポイントに至るまで、多様な加工条件に最適に対応するための具体的なノウハウを網羅的に解説いたします。最適な「一本」を見つけ出し、それを正しく管理することで、皆様の複合加工機が真価を発揮するための一助となれば幸いです。

1. 複合加工機における切削油の役割と選定の複雑性

複合加工機における切削油の役割と選定の複雑性
複合加工機における切削油の役割と選定の複雑性

複合加工機における切削油選定の核心は、性質の異なる複数の加工(旋削、ミーリング等)の要求を、いかに高いレベルでバランスさせるかにあります。単一機能の工作機械と異なり、冷却性、潤滑性、洗浄性といった多様な性能を1種類の油剤で満たす必要があり、その選定は極めて複雑かつ重要になります。

複合加工機は、まさに「一台で何役もこなすオールラウンダー」です。そのため、使用される切削油もまた、あらゆる加工に対応できる総合的な能力が求められます。

複合加工機における切削油の総合的な役割

複合加工機では、プログラムに従って旋削、ミーリング、穴あけといった異なる加工が連続して行われます。切削油は、その全ての工程において、以下の5つの重要な役割をシームレスに果たさなければなりません。

1. 冷却作用

旋削加工時の連続的な発熱と、ミーリング加工時の断続的な熱衝撃の両方を効果的に抑制し、ワークの熱変形や工具の熱的損傷を防ぎます。

2. 潤滑作用

旋削加工で求められる高い潤滑性と、ミーリング加工や穴あけ加工で求められる衝撃緩和・摩擦低減の両方を実現し、工具摩耗を抑え、仕上げ面品位を高めます。

3. 切りくず排出作用

旋削で出る連続した切りくずと、ミーリングや穴あけで出る分断された切りくずの両方を、複雑な機械内部からスムーズに排出します。

4. 工具保護作用

多種多様な工具(バイト、エンドミル、ドリル、タップなど)の摩耗を防ぎ、その寿命を最大限に延ばします。

5. 防錆作用

加工されるワークはもちろん、機械本体、タレット、ATC(自動工具交換装置)といった複雑な機構全体を錆から守ります。

選定がより複雑になる理由

単一機能の工作機械(例えば、旋盤専用機や研削盤専用機)であれば、その加工に特化した最適な切削油(旋盤なら潤滑性重視、研削盤なら冷却性・洗浄性重視など)を選べば済みます。しかし、複合加工機ではそうはいきません。

  • 相反する性能要求
    例えば、高い潤滑性を求めると油剤の粘度は高くなる傾向がありますが、高い冷却性や洗浄性を求めるには低粘度の方が有利です。この相反する性能を、1種類の油剤で高いレベルで両立させる必要があります。
  • 多様な切削形態への対応
    連続切削(旋削)と断続切削(ミーリング)が同じサイクル内で行われます。それぞれの加工で工具にかかる負荷や熱の発生パターンが異なるため、どちらの状況にも対応できる安定性が求められます。
  • 多様な工具・材質への対応
    一台の機械で、鉄、ステンレス、アルミニウムなど、異なる材質を加工する可能性があります。また、超硬、ハイス、コーティングなど、様々な工具が使用されます。これらの全ての組み合わせに対して、悪影響(腐食、変色、摩耗促進など)がなく、かつ良好な性能を発揮する必要があります。

つまり、複合加工機の切削油は、あらゆる種目を高レベルでこなせる「十種競技のアスリート」のような、極めて高い総合力とバランス感覚が求められるのです。そのため、安易な油剤選定は、複合加工機全体のパフォーマンスを著しく低下させる原因となり得ます。

2. 旋削、ミーリング、穴あけなど主要加工別の切削油の要件

旋削、ミーリング、穴あけなど主要加工別の切削油の要件
旋削、ミーリング、穴あけなど主要加工別の切削油の要件

複合加工機で最適な切削油を選ぶには、まず主要な加工である旋削、ミーリング、穴あけそれぞれが求める特性を理解することが重要です。旋削は「潤滑と冷却のバランス」、ミーリングは「冷却と洗浄性」、穴あけは「潤滑と切りくず排出」を特に重視するため、自社の加工で最も比重が大きい、あるいは最も要求が厳しい工程を基準に油剤の特性を評価する必要があります。

1種類の切削油で多様な加工に対応するためには、各加工が切削油に何を求めているのかを理解し、優先順位をつけることが不可欠です。

旋削加工で求められる切削油の特性

主な要件

連続切削となるため、高い潤滑性で仕上げ面品位を確保しつつ、連続的な発熱に対応する優れた冷却性も求められます。この二つのバランスが重要です。

重視すべき性能
  • 油性・潤滑性
    構成刃先の防止や、むしれのない滑らかな仕上げ面を得るために重要です。
  • 冷却性
    高速旋削時の熱変形や工具の熱的損傷を防ぎます。
  • 切りくず処理性
    長く繋がりやすい切りくずをスムーズに流す洗浄性も必要です。

ミーリング加工で求められる切削油の特性

主な要件

断続切削による工具刃先への熱衝撃を緩和するための高い冷却性と、ポケットや溝に溜まりやすい切りくずを強力に排出する優れた洗浄性が最優先されます。

重視すべき性能
  • 冷却性
    断続的な熱サイクルから工具を保護します。
  • 洗浄性
    切りくずの再切削による工具破損や加工面への傷を防ぎます。
  • 潤滑性
    食い込み時の衝撃を緩和し、切れ刃を保護します。

穴あけ・タップ加工で求められる切削油の特性

主な要件

工具が穴の内部で加工を進めるため、極めて高い潤滑性で摩擦を低減し、切削トルクを抑えること、そして、狭い空間から切りくずを確実に排出する優れた切りくず排出性が求められます。

重視すべき性能
  • 極圧性・潤滑性
    工具の焼き付きや折損を防ぐために最も重要です。
  • 切りくず排出性
    切りくず詰まりによるトルク増大や工具破損を防ぎます。
  • 冷却性
    穴の内部にこもる熱を効果的に除去します。

複合加工における特性の優先順位の付け方

では、これらの異なる要求をどのように満たせばよいのでしょうか。

1. 最も要求の厳しい加工を基準にする

自社で行う加工の中で、最も難しい加工(例:ステンレス鋼のタップ加工、チタン合金のミーリング加工など)を安定してクリアできる潤滑性・極圧性を持つことを、最低条件として考えます。

2. 加工頻度・時間の比重で判断する

例えば、加工サイクル全体の8割が高速のミーリング加工であれば、冷却性や洗浄性をより重視した油剤(例:ソリュブルタイプ)を選定します。逆に、旋削加工やタップ加工の比率が高い場合は、潤滑性に優れた油剤(例:エマルションタイプ)が候補となります。

3. 妥協点を見出す

全ての加工で100点満点の性能を出すことは困難です。主要な加工で80点以上の性能を安定して発揮でき、かつ他の加工でも大きな問題を起こさない、バランスの取れた油剤を見つけ出すことが現実的な目標となります。

複合加工機用の切削油選定は、旋削、ミーリング、穴あけという異なる要求特性の「最大公約数」を見つけ出す作業です。自社の加工内容を分析し、どの性能を優先すべきか戦略的に判断することが、最適な一滴に繋がります。サンワケミカルでは、このような複雑な要求に応えるため、潤滑性と冷却性・洗浄性を高いレベルで両立させた、複合加工に最適な切削油を開発・提供しております。

3. 異なる材質の同時加工に対応するための切削油選び

異なる材質の同時加工に対応するための切削油選び
異なる材質の同時加工に対応するための切削油選び

複合加工機で複数の異なる材質を加工する場合、切削油選びの基本戦略は「最も加工が困難な材質」または「最も加工頻度の高い材質」の要求を満たせる、汎用性の高い油剤を選定することです。ただし、アルミニウムや銅合金など、化学反応による変色や腐食が懸念される材質を扱う場合は、それらの材質への適合性が絶対条件となります。

一台の複合加工機で、鉄、ステンレス、アルミニウムといった性質の全く異なる材質を加工するケースは珍しくありません。このような異材質加工においては、切削油の選定はさらに複雑さを増します。

異材質加工における切削油の課題

材質ごとに異なる要求性能
  • 鉄鋼材料
    高い防錆性と、加工内容に応じた潤滑性・冷却性が求められます。
  • ステンレス鋼
    高い極圧性と潤滑性、そして冷却性が必要です。
  • アルミニウム合金
    変色・腐食を起こさない化学的適合性と、凝着を防ぐ高い潤滑性が必要です。
  • 銅合金
    硫黄系の添加剤による変色(ステイン)を起こさない、非汚染性が求められます。 これらの異なる要求を、1種類の油剤で全て満たすことは非常に困難です。

汎用性の高い切削油の選び方

1. 「悪影響を与えない」ことを大前提とする

まず最も重要なのは、加工する可能性のある全ての材質に対して、腐食や変色といった悪影響を与えないことです。特に、アルミニウムや銅合金を加工する可能性がある場合は、これらの非鉄金属に対応した、化学的に安定な成分で構成された切削油を選ぶことが絶対条件となります。

2. 最も厳しい条件をクリアできる性能を選ぶ

その上で、「小見出し2」で述べた考え方に基づき、加工する材質の中で最も難削材であるもの(例:ステンレス鋼)や、最も厳しい精度が要求される加工を基準に、必要な潤滑性や極圧性を満たす油剤を選定します。

3. 汎用型・高性能油剤の活用

サンワケミカルをはじめとする切削油メーカーは、このような複合加工機のニーズに応えるため、特定の材質に特化しすぎず、幅広い材質に対して高い性能を発揮できるように設計された「汎用高性能タイプ」の切削油を開発しています。これらは、様々な添加剤を絶妙なバランスで配合することにより、多様な要求に一台で応えることを可能にします。

特化油剤との使い分けの検討

基本的には、前述の汎用高性能油剤で対応することが、管理の簡素化やコストの観点から推奨されます。しかし、どうしても特定の加工品質や生産性を追求したい、あるいは汎用油剤では対応できない特殊な材質を扱うといった場合には、機械を分けて専用の特化油剤を使用するといった運用も検討されます。 ただし、その場合は、油剤の混入によるトラブルを防ぐための厳密な管理が不可欠であり、その手間とコストを考慮した上で慎重に判断する必要があります。

異材質加工への対応は、まず全ての材質に悪影響を与えないことを前提に、最も厳しい加工条件に耐えうる汎用油剤を選ぶのが定石です。極めて特殊な加工がある場合のみ、機械を分けるなどの運用面での使い分けを検討しましょう。

4. 複合加工機の性能を最大限に引き出す切削油管理

複合加工機の性能を最大限に引き出す切削油管理
複合加工機の性能を最大限に引き出す切削油管理

複合加工機の性能を最大限に引き出す切削油管理の要は、多様な切りくずが混在する環境下での「徹底した清浄度管理」と、長時間の複雑な加工サイクルにおける「厳密な温度管理」です。これらを怠ると、油剤の性能が不安定になり、機械全体のパフォーマンスが低下します。

最適な切削油を選定しても、日々の管理が不十分では、その性能を維持することはできません。特に、多様な加工を行う複合加工機では、油剤の汚染や劣化が進行しやすく、通常以上に徹底した管理が求められます。

清浄度管理の重要性

なぜ複合加工機で特に重要か

複合加工機では、旋削で出る長い切りくず、ミーリングで出る細かい切りくず、穴あけで出る螺旋状の切りくずなど、形状の異なる様々な切りくずが同じクーラントタンクに混入します。これにより、フィルターが目詰まりしやすくなったり、特定の形状の切りくずがタンクの隅に堆積しやすくなったりします。油剤の清浄度が低下すると、加工面の傷、工具摩耗の促進、クーラント供給系の詰まりといったトラブルに直結します。

管理のポイント
  • 高性能フィルターシステムの導入
    発生する切りくずの特性に合わせて、マグネットセパレーター、サイクロン、高精度カートリッジフィルターなどを効果的に組み合わせ、高い清浄度を維持します。
  • タンク清掃の徹底
    多様な切りくずやスラッジが堆積しやすいため、定期的なタンク清掃の重要性が増します。
  • 浮上油の除去
    複合加工機は構造が複雑で、潤滑油や作動油の漏れ・混入が起こりやすい場合があります。オイルスキマーなどでこまめに浮上油を除去し、腐敗を防ぎます。

温度管理の重要性

なぜ複合加工機で特に重要か

長時間の連続運転や、ミーリング、旋削といった発熱量の大きな加工が連続することで、クーラントの液温が上昇しやすい傾向にあります。液温が不安定になると、ワークや機械本体の熱変位による寸法誤差、油剤の粘度変化による潤滑性能のばらつき、油剤の酸化劣化促進といった問題を引き起こします。

管理のポイント
  • クーラントチラーの活用
    安定した高精度加工のためには、クーラントチラーを導入し、油剤の温度を常に一定に保つことが極めて有効です。
  • 十分なタンク容量の確保
    液量が多いほど、温度変化は緩やかになります。

濃度管理の重要性(水溶性の場合)

なぜ複合加工機で特に重要か

異なる加工で、クーラントの持ち出し量や水分蒸発量が変動するため、濃度管理がより難しくなる傾向があります。濃度のばらつきは、全ての加工性能(潤滑、冷却、防錆など)の不安定化に繋がります。

管理のポイント
  • 測定頻度の向上
    可能であれば毎日濃度を測定し、変動を早期に捉えて調整します。
  • 自動濃度管理装置の導入
    人手を介さずに安定した濃度を維持できるため、複合加工機における品質安定化に大きく貢献します。

複合加工機は、多様な汚染物質と熱が発生しやすい環境にあるため、清浄度、温度、濃度という基本的な管理を、通常以上に高いレベルで、かつ計画的に行うことが、その高性能を維持するための鍵となります。

5. 加工条件変更時の切削油の注意点と対策

加工条件変更時の切削油の注意点と対策
加工条件変更時の切削油の注意点と対策

複合加工機で加工内容(ワーク材質、工具、切削条件)を変更する際は、必ず現在使用している切削油との「再適合」を検証する必要があります。 これまで問題なかった油剤が、新しい加工条件ではトラブルの原因となる可能性があり、安易な継続使用は大きなリスクを伴います。

複合加工機の大きなメリットは、プログラムを変更するだけで、多種多様な部品や材質の加工に柔軟に対応できる点にあります。しかし、この柔軟性が、切削油に関するトラブルの落とし穴になることも少なくありません。

なぜ適合性の見直しが必要なのか

材質の変更

例えば、これまで炭素鋼を加工していた機械で、新たにアルミニウム合金の加工を始める場合を考えます。炭素鋼の加工で問題のなかったアルカリ性の強い切削油や、特定の添加剤を含む油剤が、アルミニウムに対しては腐食や変色を引き起こす可能性があります。

工具の変更

例えば、ハイス工具からCBN工具に変更して高硬度鋼の加工を始める場合、求められる切削油の性能は大きく変わります。CBN工具の性能を最大限に引き出すためには、より高い潤滑性や、化学的に安定した専用の油剤が必要になることがあります。

切削条件の変更

例えば、従来の切削速度から、大幅に高速な加工条件に変更する場合、切削油にはより高い冷却性能や耐熱性、低ミスト性などが求められます。既存の油剤では、冷却不足による加工焼けや、過度なミスト発生といった問題が新たに発生する可能性があります。

見直しのチェックポイント

加工条件を変更する際は、以下の点について、現在使用中の切削油が適合しているかを確認しましょう。

  • 化学的適合性
    新しい被削材(特に非鉄金属)に対して、変色や腐食を引き起こす成分が含まれていないか。
  • 潤滑性・極圧性
    新しい加工の負荷に対して、潤滑性能や極圧性能は十分か。
  • 冷却性
    新しい加工の発熱量に対して、冷却性能は十分か。
  • その他
    泡立ち、ミストの発生、機械部品(シール材など)への影響は問題ないか。

必要に応じて切削油の種類を変更する際の手順と注意点

変更手順

適合性を見直した結果、油剤の変更が必要と判断された場合は、必ずクーラントシステムの完全な洗浄を行ってから新しい油剤を投入します。

  1. 古い油剤を完全に抜き取る。
  2. タンク内のスラッジや汚れを物理的に除去する。
  3. タンククリーナー(システムクリーナー)を使用して、タンク内壁や配管内部を洗浄・殺菌する。
  4. きれいな水で十分にすすぎ洗いをする。
  5. 新しい切削油を、メーカー推奨の正しい手順と濃度で投入する。
注意点

種類の異なる切削油、特に系統の違う水溶性切削油同士や、油性と水溶性を混ぜてしまうと、分離、凝固、性能低下、腐食といった深刻なトラブルを引き起こす可能性があります。中途半端な洗浄や、古い油剤が残った状態での新油の継ぎ足しは絶対に避けてください。

複合加工機の柔軟性は、それに合わせて切削油の適合性を見直すという運用上の注意深さがあって初めて活かされます。加工条件の変更は、切削油を見直す絶好の機会と捉え、常に最適な状態を追求しましょう。不明な点があれば、サンワケミカルのような切削油メーカーに相談することが、トラブルを未然に防ぐための最も確実な方法です。

まとめ

本記事では、旋削、ミーリング、穴あけなど複数の加工を一台で行う複合加工機において、その高い生産性と多機能性を最大限に引き出すための、切削油の選び方と管理のポイントについて、多角的な視点から詳しく解説してまいりました。

複合加工機における切削油選定は、単一機能の工作機械とは異なり、

  • 多様な加工(連続切削、断続切削など)で求められる相反する性能(潤滑性と冷却性・洗浄性)を高いレベルで両立させる必要がある。
  • 多種多様な被削材(鉄、ステンレス、アルミ、銅合金など)に対して、悪影響なく安定した性能を発揮する必要がある。
  • ATCなどの精密な機械構造との相性も考慮する必要がある。 といった、特有の複雑さと難しさが伴います。

これらの課題を克服するためには、「汎用高性能」な切削油を基本としつつ、自社の加工内容で最も重視すべき性能を見極めて戦略的に選定し、さらに複合加工機特有の環境(多様な切りくず、長時間運転など)に対応した、高度な清浄度・温度・濃度管理を徹底することが不可欠です。

適切な切削油の選定と、それを支える日々のきめ細やかな管理を実践することで、複合加工機が持つ本来のポテンシャルを最大限に引き出し、トラブルのない高効率で高品質な加工を実現することができます。

もし、現在お使いの複合加工機における切削油の選定や、発生しているトラブルの解決にお困りでしたら、ぜひ一度、私たちサンワケミカル株式会社にご相談ください。長年の経験と豊富な知見に基づき、お客様の多様な加工条件に最適に対応できる切削油のご提案と、その効果的な管理方法に関するトータルなサポートを提供させていただきます。


サンワケミカル株式会社は、長年の経験と技術に基づき、多種多様な切削油剤を開発・製造しております。お客様の加工条件やニーズに合わせた最適な製品をご提案いたしますので、切削油に関するご相談は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

もし、この記事で紹介した対策を試しても問題が解決しない場合や、お使いの切削油に関するより詳細な情報、お客様の特定の加工に最適な油剤の選定についてご相談がありましたら、どうぞお気軽に私たちサンワケミカル株式会社までお問い合わせください。経験豊富な専門スタッフが、お客様の状況を詳しくお伺いし、最適なソリューションをご提案いたします。

サンワケミカル株式会社HP:http://sanwachemical.co.jp/
サンワケミカル株式会社お問い合わせ:http://sanwachemical.co.jp/contact/
サンワケミカル株式会社公式X:https://x.com/sanwachemical

今後も、金属加工の現場で役立つ情報を発信してまいりますので、サンワケミカル株式会社公式ブログにご期待ください。

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サンワケミカル株式会社 鳥居省吾
サンワケミカル株式会社 鳥居省吾
副社長
金属加工油剤の営業一筋21年。常に「お客様の立場」を第一に考え、課題解決に誠実に取り組むことで、多くの企業様と長い信頼関係を築いてまいりました。「信頼の輪が大きな幸せを生む」という経営理念のもと、今後もお取引先様の発展と働く方々のお役に立てるよう努めてまいります。 趣味はサッカー。プレミアリーグを現地で観戦したい。
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