【導入事例】切削油の「消防法」問題を、引火点250℃以上の「非危険物」油性切削油で解決。低粘度と加工品質を両立したメーカー様の声
切削油の「消防法」問題を、引火点250℃以上の「非危険物」油性切削油で解決。
低粘度と加工品質を両立したメーカー様の声
自動車のエンジン部品や農機具部品など、高精度な試作加工を手がける、とあるメーカー様。今回は、マシニングセンタ(MC)グループのご担当者M様に、工場の「消防法」対応という大きな課題に対し、サンワケミカルの非危険物・低粘度油性切削油『スーパーカットVC100』の導入を決められた経緯と、その背景にあった現場のリアルな声について詳しく伺いました。
導入前と導入後の変化
| 項目 | 導入前(従来品・課題) | 導入後(スーパーカットVC100) |
| 消防法対応 | 第四類石油類では指定数量超過のリスクがあった。 | 引火点250℃以上(指定可燃物)のため、2000Lまで届け出不要で運用可能に。 |
| 粘度 (持ち出し量) | 従来の非危険物は高粘度(20cst超)で、「持ち出し量」増加が懸念された。 | 低粘度(10cst)を実現。持ち出し量の懸念をクリアし、洗浄負荷も軽減。 |
| 加工品質 | 水溶性では「穴が汚い」「表面が荒れる」など品質問題が発生。 | 油性であるため、水溶性では難しかった加工品質を維持・向上。 |
| 作業環境 (ミスト) | オイルミストが工場内に漂い、作業環境の課題となっていた。 | 先行導入したミスト対策品(FD-101S)でミスト低減効果を実感。 |
「消防法」「加工品質」「オイルミスト」をまとめて解決

試作現場の3大課題「消防法」「加工品質」「オイルミスト」をどう解決したか?

まず、M様の担当業務について教えてください。

試作グループのMCグループを担当しています。縦型や横型、5軸付きのマシニングで、シリンダーブロックやカムシャフトなどを加工しています。メインは自動車関係ですが、最近は農機具向けの大きめの部品も増えていますね。

今回、非危険物タイプの『スーパーカットVC100』に切り替えようと思われた一番のきっかけは何だったのでしょうか?

一番の理由は消防法への対応です。うちの設備は1台あたり1,000〜1,400リットルくらい入るものが多くて、どうしても(第四類石油類の)全体保有量がギリギリになってしまうんです。

消防署からの指摘はなかったものの、社内で管理体制を見直されたのですね。

はい。そこで一度、会社から「全て水溶性に変えるように」という指示が出ました。

すべて水溶性に切り替えて、どうでしたか?

やってみたんですが、「穴の仕上がりが悪い」「表面が荒れる」といった加工品質の問題が出てきてしまって。結局、一部の加工はどうしても油性でないと難しい、ということが分かりました。

「消防法」をクリアしつつ、「加工品質」も維持できる油性の切削油が必要だったと。

その通りです。それに加えて、「オイルミスト」ですね。工場内にミストが漂うのはずっと課題でした。
なぜ「非危険物=高粘度」の壁を破れたのか? 引火点250℃以上・非危険物・低粘度油性切削油『スーパーカットVC100』との出会い

「消防法」と「加工品質」の両立という点で、非危険物の油剤も検討されましたか?

はい、ただ、従来の非危険物の油剤は「粘度が高い」というイメージが強かったんです。他社品だと粘度20cstを超えているものが多くて。

粘度が高いと、どのような懸念がありましたか?

粘度が高いと製品への「持ち出し量」が増えて、その後の洗浄にも手間がかかってしまいます。だから、粘度はなるべく低めのものが良かったんです。

粘度が高いイメージがある中で、弊社の『スーパーカットVC100』の提案はいかがでしたか?

「引火点250℃以上で非危険物(指定可燃物)」なのに、「粘度10cst」という低粘度を実現していると聞いて、「これはいいかも」と。スーパーカットVC100なら、届け出不要な2,000リットル以内で収まるので、上司とも相談して導入の検討を始めました。
性能だけではなかった。オイルミスト対策から始まった「メーカー直取引」の安心感


実は『スーパーカットVC100』をご導入いただく前に、まずオイルミスト対策品の『FD-101S』(第四類石油類)を試していただいていましたよね。

そうなんです。オイルミストの課題もあったのでオイルミスト対策品の『FD-101S』をテストしたところ、オイルミストが本当に減っていて「これは違うな」と実感しました。

ただ、オイルミスト対策品『FD-101S』で全台をカバーしようとすると、また「消防法」の保有量の問題が残ってしまうと。

はい。その時も、やはり「メーカーと直接のやり取り」ができたのが大きかったですね。商社を通すタイムラグがなく、スピード感がありました。FD-101Sで性能とオイルミスト低減を実感できていたので、その次の提案である『スーパーカットVC100』も信頼して導入を決められました。

サポート対応はいかがでしたか?

専門的な部分を直接「この材質なら大丈夫です」と教えてもらえるのは助かります。洗浄剤や防錆剤も含めて、総合的に相談できるのがありがたいですね。
「2000L以下ならOK」消防署も確認済み。運用と管理が劇的に改善


導入にあたり、消防署にも確認されたそうですね。

はい。「指定可燃物として2,000リットル以下ならOK」という回答をもらったので、その範囲に収めて運用しています。これで資格者の配置なども不要になり、管理がかなり楽になりました。

現在はVC100とFD-101Sを併用されていますが、現場の運用はいかがですか?

5軸マシニング2台を(VC100に)統一して工程をそろえたところ、刃物折れや「むしれ」も減りました。油性同士なら洗浄にも影響が出にくいので、今の形がベストだと思います。
「消防法」の悩みを持つ工場担当者へのメッセージ


最後に、同じように保管量や消防法で悩む工場の方に、何かメッセージをお願いします。

一気に全部を変えるのは難しいので、うちみたいに消防やメーカーに相談しながら、どのくらい持てるかを確認して少しずつ切り替えていくのが安心だと思います。

もし同業者にサンワケミカルを紹介するとしたら?

「話しやすくて、ちゃんと説明してくれる鳥居さんって人がいるから一度相談してみて」と言いますね(笑)。最初は必しで、上の指示に従うだけじゃなく、自分で納得して選びたかったんです。そのときに丁寧に対応してもらえて、本当に助かりました。
まとめ
インタビュー全体で得られた重要なポイント
- 「消防法」対応のため、第四類石油類から「非危険物(指定可燃物)」の油剤への切り替えが急務だった。
- 水溶性化を試みるも「加工品質」の問題で断念。油性での解決策が必要だった。
- 従来の非危険物油剤の課題であった「高粘度」を、引火点250℃以上・低粘度(10cst)の『スーパーカットVC100』が解決した。
- 「オイルミスト対策」での先行導入実績と、「メーカー直取引」による迅速・的確なサポート体制が導入の決め手となった。
サンワケミカルは、これからも製品の提供に留まらず、お客様の課題に寄り添い、共に未来を創造するパートナーであり続けたいと考えています。
お客様プロフィール
業種:自動車・農機具部品の試作加工
加工内容:マシニングセンタ(縦型、横型、5軸)
加工材質:鉄、鋳物、アルミ、シャフト系、箱物系
導入前の課題:消防法対応(指定数量超過リスク)、加工品質(水溶性では不可)、オイルミスト
導入製品」:スーパーカットVC100(非危険物・低粘度 油性切削油)
👉 本記事で紹介した
・引火点250℃以上・非危険物・低粘度油性切削油『スーパーカットVC100』
・オイルミスト対策品『FD-101S』(第四類石油類)
など、消防法対応・非危険物の切削油に関するご相談は、ぜひお気軽にサンワケミカル株式会社までお問い合わせください。
サンワケミカル株式会社HP:http://sanwachemical.co.jp/
サンワケミカル株式会社お問い合わせ:http://sanwachemical.co.jp/contact/
サンワケミカル株式会社公式X:https://x.com/sanwachemical
サンワケミカル株式会社は、長年の経験と技術に基づき、多種多様な切削油剤を開発・製造しております。お客様の加工条件やニーズに合わせた最適な製品をご提案いたしますので、切削油に関するご相談は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
もし、この記事で紹介した対策を試しても問題が解決しない場合や、お使いの切削油に関するより詳細な情報、お客様の特定の加工に最適な油剤の選定についてご相談がありましたら、どうぞお気軽に私たちサンワケミカル株式会社までお問い合わせください。経験豊富な専門スタッフが、お客様の状況を詳しくお伺いし、最適なソリューションをご提案いたします。

